
建物の使用期間中,防耐火措置システムに必要なことは?

建物の使用期間中,防耐火措置システムで重要なことは
耐火性能を維持することです。
コストと予算の関係で,多くの場合,防耐火措置は重要視されないか,軽微な問題と見なされる傾向があります。今現段階でビルオーナー,建築家,設計者,建設会社の方が建設プロジェクトの初期段階で適切な防火措置の仕様と対策を行っているのであれば,防耐火措置に対して法的責任を十分に理解しておられるので,以下に述べるアドバイスは必要ないかもしれません。
もう1つの重要な観点は,建物の使用期間中,耐火壁と耐火床の性能を最初に措置した状態のままで,どのようにその性能を保持することができるかということです。そのため,新築だけでなく,特に火災発生の可能性が最も高い建物の供用期間中に関しても考慮することが重要です。火災の潜在的な原因を分析すると,いつでもどこでも火災が発生する可能性があります。火災原因の35%は電気関係(ショート)によるもので,約10%は貫通物の高温化による防火措置材の過熱によるもの,17%は人為的エラーによるもの,火災の22%は最終的な原因は未解決のままです。3)
建物の使用期間中,多くの改修工事,改築工事,補強工事等が行われます。新しい通信システムや緊急通報システム,電気設備のアップグレード,新しい乾式壁で区切られた異なる火災荷重となる新しいテナントスペースの設置,内部の改修,換気または暖房機器の拡張,配管とダクト作業のメンテナンスも,既存の防火区画措置に大きな影響を与えます。これらの工事の過程では,様々な業種の施工業者や,ビルオーナーのメンテナンス管理業者が,既存の耐火時間の有する防火区画措置材を切断及び損壊する必要にせまられます。
- その後,誰がファイヤーストップ措置材を正しくメンテナンスし,耐火性能を確保するのでしょうか?
- 耐火壁に再度空けられた開口部や損壊した開口部は,誰が防耐火措置を行うのでしょうか?
- 再通線の防火措置は,同様の認定工法が使用されているのでしょうか?
- そして,損壊したすべての防火措置材は,ビルオーナー様に正しく報告されているのでしょうか?
防火区画措置材が正しく施工されずに損壊した不適切なままの区画貫通部は,既存建物に大きな危険をもたらす可能性が高いのです。

多くの既存建築物では,正しく措置されていないケースが良く見うけられる

防火区画措置材の破傷は,火災と煙のリスクが高くなることを表しています。 既存の建物の耐火壁および耐火床の適切なメンテナンスが鍵となります。
ビルのオーナーの方と施設保全の請負業者の方へのご提案:
防火区画貫通部での再通線や改修工事において,長期的に防火区画貫通部防火措置として機能保全させるためには
- 防火区画や防火区画貫通部措置工法について自社スタッフと請負業者へ勉強会を実施する
- 防火区画措置工事を含む請負業者にその措置工事の責任と明確な期待値を設定しコミュニケーションを図る
- 認定工法を熟知し,法的な内容の判断も含め工学的判断を行うことができる,十分な教育を受け認定された施工業者によるメンテナンスを行う
- 既設の耐火措置材とも合致する正しい防火区画措置材を使用する
- 年1回または時期を定めて確認検査を行う
- 防火区画措置の状況写真(不適切な施工状況も含め)文書管理を行う(例:北米では,写真とラベルの防火区画管理用の特定のソフトウェアを使用しています)

火災発生時の人的リスクを軽減し,建物資産を保護するために,既存建物の防耐火措置の定期的な点検とメンテナンスが重要です。
- 耐火・遮煙性能を有する壁と床にラベルを貼付する
- 建物のリスク評価の中で適切で受動的な防火措置を検討する
- 容易な施工性,適用される認証範囲,再通線の有無,メンテナンスと検査の簡易さ,これらを考慮して採用するファイヤーストップ材料のわかりやすい仕様を設計図書に明記する
- 技術的な現場サポートとコンサルティングの提供可能な,経験豊富なファイヤーストップのメーカーを選択する
- 工場にてあらかじめ成形された材料や,施工性に関してコストメリットのある成形済み製品(防火ブロック,防火スリーブ)を採用することで,適切な施工や長期にわたるメンテナンスが容易となり,建物のリスクを軽減することができます。

すべてのケーブル管理が可能な工場にて予め成形されたファイヤーストップ装置:防火スリーブなど建物の使用期間中に再通線が何度でも簡単に行うことができます。
新製品:ケーブル貫通部の防火区画壁表面に設置する成形品: 施工と検査が容易
ヒルティは,防耐火措置材の建設市場での世界的リーダーを司っています。 我々ヒルティは,厳格な燃焼試験と工法開発によって実証された製品(工法)の信頼性と卓越したサービスを提供することにより,建物の安心・安全と生命と財産の保護に貢献できると確信しております。ヒルティは,世界的な研究開発により,利用しやすい最先端の防耐火製品(工法)を提供し,革新的な防耐火システムのソリューションを提供することをお約束します。さらに,各国の仕様者と施工者が適切なアプリケーションに適切なシステムを正しく選択し,認証試験済みの防耐火措置工法(解決策)を正しく選定することが可能となるよう,各国独自に専門的な技術サポートを提供しています。
出典:
3) Feuer Trutz Brandschutzatlas 3/2012
その他の出典と写真: ヒルティ社内資料より, シャーン, リヒテンシュタイン